広大な敷地を利用した茶庭風回遊式庭園。庭園の中心には三幹の赤松が植えられ、その根元には壮大な遠山をイメージさせるような巨大な景石が据えられている。またその周りには杉苔が生い茂り、さらに赤松と景石の美しさを引き立たせている。この景色を中心とし、庭園内にはモミジなどの落葉樹がバランスよく配植され、趣ある雑木林を思わせる。
その雑木林を散策できるかのように動線として飛び石や板石などが敷かれている。
その途中にはしおり戸、蹲、燈篭、靴脱ぎ石などが置かれ、茶庭としても利用できる庭園形式となっている。家屋の軒下の雨落ちは瓦で区切られた中に那智黒石を敷きつめ、雨が落ちると那智黒石が綺麗な輝きを見せる。そして深草砂の洗い出しで作った犬走りは深草砂特有の色とりどりの小石が所々から見られる。このように様々な場所に自然素材を用いたことで、庭園から家屋、敷地全体が自然の趣ある風景として溶け込み合い、一つの優雅な空間をつくりだしている。
施工費:10,000,000円